ETCカードというのは、ETCシステムを使って高速道路などの有料道路を通行する際に使用するものです。通行料金を精算するために必要なICカードで、クレジットカード会社が発行しているETCクレジットカード...

ETCカード

ETCカードというのは、ETCシステムを使って高速道路などの有料道路を通行する際に使用するものです。通行料金を精算するために必要なICカードで、クレジットカード会社が発行しているETCクレジットカードと、東日本高速道路株式会社・中日本高速道路株式会社・西日本高速道路株式会社がそれぞれ発行しているETCコーポレートカードが存在しており、これらには有料道路の通行料金を決済するために必要な情報がインプットされているのです。ETCカードにあるICチップにインプットされている情報は、車載器がその情報の読み書きを行うようになっているのですが、料金の履歴もICチップへ保存することが可能となっています。料金の履歴は、車載器によって合成音声で読み上げることができたり、専用プリンタを使って出力することが可能です。

ETCとは

そもそもETCというのは、Electronic Toll Collection System(エレクトリック・トール・コレクション・システム)の略で、日本語で電子料金収受システムといいます。ナビゲーションシステムを高度化するVICSや、交通管理の最適化を図るためのUTMS・駐車場案内システムと同じ高度道路交通システムの1つであり、有料道路を利用する場合に料金所でいちいち停止することなく、ノンストップで通貨することが可能となっています。

このETCは日本だけに存在するシステムではなく、海外でも同様の料金収受システムが構築されています。現在、ETCを導入している国は、日本をはじめ、オーストリア・フランス・ドイツ・イタリア・ポルトガル・スペイン・スイス・イギリス・カナダ・アメリカ・メキシコ・オーストラリア・アルゼンチン・ブラジル・韓国・台湾・香港・イスラエル・ドバイ・アラブ首長国連邦・インド・パキスタン・タイ・マレーシア・フィリピン・シンガポール…が挙げられます。1989年、イタリアのアウトストラーダ(高速道路)で導入されたテレパスと呼ばれる無線式の料金収受システムがETCの前身となっています。日本では、1997年に小田原厚木道路小田原料金所にて、業務用車両を対象に試験がスタートし、そして2001年11月30日から全国の高速道路にて、一般利用が始まりました。現在では、ETCシステムはそれほど珍しい存在ではなくなっているせいか、かなり前から存在していたように感じてしまいますが、実際には一般車両向けに利用が始まってからまだ10年ちょっとしか経っていないんですよね。ETCの搭載は、高速道路料金所での渋滞緩和のために国土交通省が推進しており、2011年5月の時点では、ETCを搭載している一般車両は全国で平均87%、2012年8月にはETC車載器のセットアップ累計台数が5,000万台を達成するなど利用率は非常に高く、ほとんどの車両が利用していることになります。もちろん、ただ国土交通省が推進していることだけが理由で、これほどまでに高い利用率ではありません。各高速道路の料金所での渋滞に嫌悪感を持つ方が多い…というのもありますが、例えば、2001年11月30日にはETC期間限定特別割引が開始したのを始め、2004年11月1日にはETC深夜割引の開始、2005年1月11日にはETC通勤割引とETC早朝夜間割引の開始、2009年3月には、政府の経済対策の一環として休日特別割引が2年間限定で開始するなどのETCを搭載することで得られるメリットが多い…という理由も大きかったのではないかと思います。

ETCの構造は、ETC車載器を搭載した自動車が、高速道路などの有料道路の料金所にあるETCレーンへ進入すると、無線通信によって車載器と料金所で料金精算をするために必要な情報が交換されるようになっています。車両の情報・ETCカードの番号・入口料金所・出口料金所・通行料金…などが交換される必要情報となるのですが、その通信が正常に行われ、そして情報に相違なければETCレーンに設置されている開閉バーが開いて、自動車は停止することなく通過できる…というわけですね。もちろん、情報が誤っていれば、開閉バーは開くことはなく、通過することも当然できません。このことからも判る通り、ETCカードには、あらかじめ車載器に挿入している必要がある他、車載器によるETCカードの認証を終えている必要があります。ETCカードが車載器に挿入されていない、または車載器にETCカードの認証がなされていない場合も、開閉バーは閉じたままとなり、料金所を通過することはできません。更に、自動車に搭載する車載器についても、事前に車両の情報を登録しておく必要があります。登録しておかなければ、やはり開閉バーは閉じたままです。ETCカードを挿入し忘れていたり、通信エラーなどが原因で開閉バーが開かない時のことも考えて、万が一の場合でも開閉バーに衝突せずに止まることができるように、停止可能な速度で料金所へ進入する必要があります。時速20km以下の速度で料金所へ進入するように言われているのはそのためです。最も、速い速度で料金所を通過しづらくするために、開閉バーが開くタイミングを少し遅らせている…というような対策も身になっているんですけどね。そして、料金所に設置されているアンテナ・車両検知器等が、ETCカードをセットしている車載器との交信によって課金情報を送信し、路側装置によってその自動車の利用明細が中央処理装置に送られ、課金情報を元に利用者へ料金の請求が行われる…ということなんですね。

ETCカードは、自動車に設置する車載器に挿入して使用するのですが、先ほど挙げたように、その車載器にはあらかじめ設置する車両情報を登録しておく必要があります。この必要情報を登録することをセットアップと呼ぶのですが、車載器が正常にセットアップされていなければ、車載器を自動車に設置しても料金所を通過することはできません。ですから、車両を入れ替える(車載器を移し変える)場合や、車載器を譲渡する場合、必ずセットアップし直さなければいけません。セットアップが正しく行われていれば、どのようなETCカードでも利用することができ、そして料金は有料道路を利用した際に使用した(車載器に挿入していた)ETCカードの契約者が支払うことになります。なお、このセットアップというのは誰でも自由に行えるわけではなく、有料で、セットアップ店というORSE(財団法人道路システム高度化推進機構)に登録された店舗でしか行うことができません。

セットアップする方法は、ORSEとセットアップ店の間で、情報をオンラインで送受信するオンラインセットアップと、セットアップ情報を郵便、もしくはFAXで伝達して行うオフラインセットアップの2種類が存在します。一般的に、オンラインセットアップはETCカードを所有していれば当日から利用することができ、オフラインセットアップは、完了するまでおよそ1週間ほどかかると言われています。そして、セットアップの手順としては、セットアップ店でセットアップ申込書に必要事項を記入し、ORSEへ申請します。ORSEがセットアップ情報を生成し、セットアップ店にそれらを伝達。そして、セットアップ情報が書き込まれたETCセットアップカードを車載器へ読み込ませれば、セットアップ証明書が購入者へ渡されるのです。